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中国共産党の歴史⑦

最近知名度が上がってきたと思われる中華人民共和国が1980年代半ばに策定した「近海積極防衛戦略」。

いわゆる第一列島線、第二列島線というアレです。

初見では、私個人として軍事パワーバランスを考えて願望は自由だが無理だろうと失笑していましたが、その後の尖閣諸島問題や南シナ海問題が大体的に報道されるようになり、サラミスライス戦略を知ってからは、考えを改めました。

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日中防衛力比較

 

日本国防衛省データ参照

 

中華人民共和国の公表データは当てになるものではないという問題がありますが、公表ベースで見ても年々予算はうなぎのぼり状態です。

 

インターネット上では、中国を侮る意見と中国は軍事予算が多いので強いと言う意見など様々な意見が存在します。

大は小を兼ねるので強く見積もったほうがよいという、一見正しく見える主張もありますが、私個人的には過小評価も過大評価も真の意味での防衛には害悪にしかならず、正確な評価ができない限り、有事に対応ができないと考えています。

 

 

 

この手のネタは軍事を知らない方、戦争について理解が乏しい方、あるいは典型的な情報扇動の可能性がありますので無視して良いでしょう。戦後日本による秩序が失われた後に「三地域を力によって奪取」していますので、国家間や民族間の友好・善意があったという想定も無意味です。

 

誤解のないようにいいますと、過小評価はもちろん害悪ですが、過大評価もそれ以上に害悪となります。過大評価により発生する誤った予算配分、民主主義国家の世論への影響は、単純な戦闘では表に出てこない悪影響があります。戦前の日本もそれ(世論)に悩まされていた事実が存在します。

特に孫子の兵法である戦わずして勝つための工作に自らを敵に過大評価させ、敵に戦争を避けさせ、外交で有利に立つといった手法は、現在に至るまで周辺国家に実際に実行し、成功をおさめています。

ただ、年々力をつけ続けていることには変わりありませんし、例え本土上陸は困難であっても、日本の領土たる離島を最初から最後まで保全し続けることは米軍であっても不可能であるということは事実です。(ピーター・ナヴァロの著では奄美以南は取り返すまで半年間かかると予想されています。)

講演やインタビューを視聴している限り、現在の海上、陸上、航空自衛隊幹部の方々は、メンツを優先することはなく、予算増加のための要望としての危機を訴えるものの、戦前の軍の戦争遂行の反省をしっかり生かした考え方を持っておられます。

 

閑話休題

 

最近における中国の海上での活動事例

 

2010年6月 ナツナ諸島周辺 中国船を拿捕したインドネシア巡視船に対し砲を照準合わせて威嚇。

2011年5月 ベトナム沖合でベトナム資源探査船の作業を妨害(ケーブル切断)

2011年6月 ヴァンガード礁周辺のベトナム資源探査船の航行を妨害

2012年 スカボロー礁でフィリピン船との対峙、以降中国プレゼンスを維持

2013年5月 セカンドトーマス礁周辺に艦船を派遣、フィリピン軍の揚陸艦への補給を妨害

2013年10月 南ルコニア礁周辺へ艦船派遣

2014年1月 ジェームズ礁周辺へ艦船派遣

2014年5月 トリトン島南方へ軍・海警派遣、ベトナム船舶と対峙

2014年8月 リード礁で海警派遣 標識投下

2015年4月 スピ礁周辺でフィリピン航空機に対し強力な光照射、退去要求。

 

 

このように徐々に浸透しています。

現在問題になっているのは南シナ海における岩礁を埋め立て基地化していること。

ここを軍事的に封鎖されてしまうと、日本だけではなく米国、韓国、台湾その他の周辺国家のシーレーンに影響を及ぼします。

現在日本のエネルギーの8割は中東依存しています。

この南シナ海、基地埋め立て問題(シーレーンを脅かす問題)と、現在日本の反原発問題はセットです。

中国の対日エネルギーインフラ工作です。

この二つが抑えられれば、日本が中国にエネルギー分野で抑えられてしまい、太刀打ちできなくなるためです。

 

つづく

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