中国の定義 第1回

中国の定義

地理的な意味合いとしての地域、領土といった意味を持つCountry。
言語、宗教、民族問わず、同一の法が適用されるテリトリー、いわゆる政治的に定められた共同体という意味を持つState。
同じ言語を使い、同じ歴史や慣習をもった集団という意味でのNation。

日本においては、これら3つが世界的にも珍しく同一なため、日本人は、それが普遍的で当たり前なものとして捉えている。

日本人は厳密にこの3つの概念を区別していない人が多いため、
地域史と民族史、国史の区別がない。
今の日本史が戦前では国史と呼ばれていたこと。
戦後、日本史という名称に変更されました。
国史と日本史がそれぞれどういった意味合いを持ち、どういう意図により変更されたのかということは理解いただけると思う。

さて、前置きが長くなってしまったが、本題たる「中国」である。
コピーライターの糸井重里が考えたキャッチコピーから普遍化していった「中国四千年の歴史」。
この「中国」というのは何を表しているのであろうか。

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1.国家

国家としての「中国」は中華民国が初出であり、1912年になる。
現在、日本が放棄した領地を占拠し主要国に未承認状態で政府を名乗っている状態(法的にはアメリカ軍の占領地となって以降帰属先は決まっていない。)
分裂、統合、国家の体をなしていたのかという疑問は脇に置いといて、紆余曲折はあるもののひとつの国家としてみた場合、2018年時点で106年、たかだか1世紀。とても4000年とは言い難い。

もう一方の大陸を制覇し、現在正統とされている中華人民共和国については、建国が1949年10月1日。
もっと歴史が浅い。

2.中華という概念

華夷秩序の説明は今回は割愛するとして、語彙としての中華は、正史を紐解く限り、
おそらく後漢以降に造語されたものと思われる。
中心(首都と同意)を表す言葉であり、地域の意味も民族的な意味もない。時代によって「中華」の範囲も位置も異なる。一説として中華の華は、崋山をあらわしているとも言われる。
何れにせよ、後漢以前には語彙自体確認できず、4000年どころか2000年にも達しない。
春秋戦国時代や三国志の時代、五胡十六国時代と群雄割拠していた時代も多々あることも留意すべきであろう。

年代によって中華の範囲や位置は異なりました。

年代によって中華の範囲や位置は異なりました。

次回につづく

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