現代の尾崎秀実の暗躍

尾崎秀実(おざきほつみ)[暗号名:オットー]は、ソヴィエト共産党のスパイで、戦前、朝日新聞や中央公論、改造にて支那事変の長期化を煽り、米英に対する批判的なプロパガンダで大衆を煽りました。
大衆世論が暴支膺懲、鬼畜米英に染まってしまった状態になった上で当時の政権、軍部も強く影響を受けてしまいました。今も昔もそういう意味では変わっていません。

最終的には、リヒャルト・ゾルゲを頂点とするソ連のスパイによるゾルゲ事件として1941年(昭和16年)に発覚し首謀者として死刑となりました。
少々詳しく調べたことがある方であれば、尾崎秀実についてこの程度の知識を持っている方がいらっしゃるのではないかと思います。

以前の記事(中国共産党の歴史シリーズ)にて言及したとおり、日本がスパイ天国であることは、現代に始まったことではなく、戦前からやりたい放題でした。
日清戦争後に来日する清国留学生に始まり、辛亥革命後、国共合作後に国民党の資金にて日本留学する共産党員が登場してから留学生として多数日本国内に工作員が潜入いたしました。
なんだか現在の日本も似たような形で中国人留学生を受け入れています。
以前の記事にもTwitterでも言及しましたが、

戦前の日本には、陸軍中野学校といった情報機関や国防保安法というものがありました。
とは言ったものの、設立・施行された時期は極めて遅く、やりたい放題やられた後であったという事情があります。
ましてや、現在の日本にはそのような機関も予算も法整備も存在していませんので戦前末期以上にやりたい放題できるわけです。

近年、インターネット上では保守系の言論記事、SNS、まとめサイト等がマジョリティとなっています。年々増加傾向にあるように思います。

全体主義的な共産党や左派の考え方と違い、保守系は十人十色でそれぞれの政策や主張に違いがあります。例)TPP
言論の自由と思想の自由が保証されているので、個々の主張も微妙に違っており、団結することも左派と比べると困難であると思います。
そういった保守系の言論は組織化されていないことがほとんどで、かつてから組織的に動いてきた諜報活動に長けた共産党や支那人にとっては、非常に突きやすい弱点となっています。

以前視聴したYoutubeの番組 「日本人だけが知らないインテリジェンス」シリーズの「ロシア共産党がどのようにして誕生したのか」にて、

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【12月5日配信】日本人だけが知らないインテリジェンス「ロシア共産党はどのようにして誕生したのか」柏原竜一 秋吉聡子【チャンネルくらら】


帝政ロシアのインテリジェンスとして浸透工作と挑発要因工作の2種類をご紹介していました。

浸透工作

敵組織の中に巧みにスパイをどんどん入れ込み、支援勢力を増やす工作。

挑発要因工作

敵組織の中に浸透した工作員が敵組織の意向に応じて過激なことを主張し、敵組織の信頼を失墜、貶める。世論を煽る。

浸透工作については、ペンス副大統領が10月4日の演説(放言閑話記事)で言及した、「米国企業、映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方、州、連邦当局者に見返りの報酬を与え支配している。」と同様に日本国内の野党はおろか与党、企業、マスコミ、シンクタンク、省庁、教育業界に既に浸透しています。

最近は世論に後押しされたせいか、幾分マシにはなってきましたが、中国当局にとって不都合な事件や事柄については徹底的に擁護する体制にあったわけです。

ジャーナリストの大高未貴さんによると、2012年に発生した日本企業に対する反日デモについて、孔子学園では徹底的に中国擁護していたとのことです。

次の挑発要因工作ですが、これこそ文頭で言及しました、尾崎秀実が良い事例です。

本来、愛国者のふりをして従来味方であったアメリカ、イギリスに対する敵意、憎悪を煽る極端な報道や論説プロパガンダを振りまきました。

もちろんアメリカ国内でも同様な工作を行っており、成果をあげています。

工作の集大成が大東亜戦争、第二次世界大戦で日本の敗北という結果に終わりました。

以前あげた記事の通り、戦争目的を完全に達成した国家は「ソヴィエト社会主義連邦」「中華人民共和国」の2国だけです。

 

日本やアメリカに対する工作が行われた背景

なぜこのような主旨の工作を行ったかといいますと、元来、日本の仮想敵国は江戸幕府後期よりずっと帝政ロシアでした。

日露戦争に至っては、開戦当初の国力差、戦力差は日米開戦以上に開いていたのが紛れもない事実です。(アメリカはニューディール政策失敗によるデフレ不況で国力、戦力もそれほど高くなく、開戦後に経済復興し驚異的な生産力で大きくなった。)

そういった意味では、大東亜戦争以上に日露戦争のほうが勝てないと判っていたのに無謀にも開戦したと言えるでしょう。(違いは日清戦争、日露戦争ともに常にどうやって終戦、講和するかの落とし所を考え作戦に反映させながら戦ったことです。)

日露戦争後直ちに日本の危険は去ったわけではありませんでしたが、日露戦争後から第一次大戦に至るまでに当時世界の覇権を争っていた英露が和解し、日露戦争の遠因となった陰謀好きなドイツ帝国ヴィルヘルム2世が英露共通の標的となったため、日露協約とともにロシアの対日危険度が下がりました。

そこで明治維新来の国家戦略が完遂してしまったため、日本においては国家戦略が混沌としてしまいました。敢えて嫌な言い方をするとすれば平和ボケしてしまいました。

陸軍は以前と変わらずロシアを仮想敵国としましたが、海軍は事実上壊滅してしまったロシア海軍を仮想敵国とすることができず、友好国であったアメリカ海軍を仮想敵国としました。設定当初は、当時の振る舞いを見る限り決して対米戦争するつもりもなかったように思われます。

ロシア革命により帝政ロシアが倒されソヴィエト社会主義連邦が成立すると、ソヴィエト連邦により日露協約は破棄され、再び危機を迎えます。

成立したばかりのソヴィエト連邦は孤立無援で他に同盟国がいませんでした。

いかなる状況であっても二方面作戦は決して採らない、ロシア・ソヴィエト連邦は、ドイツと日本の挟撃を非常に恐れます。

もちろん日露戦争の教訓も生かされています。

日本の敵意をソ連から逸らすという工作は、ソヴィエト連邦の悲願でした。

レーニン演説で日米を互いに争わせることで敗者に敗戦革命を起こさせ、世界共産主義革命を目指すと明言しています。

そこでアメリカと仲違いするように、さまざまな工作を行いました。

愛国者のふりをした国家社会主義者が暗躍もあり、この工作の効果は思いの外高く、日本の国家戦略がガラッと変わってしまい支那事変、大東亜戦争、戦後70年の戦後レジームにまで影響を及ぼしました。

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まとめ

さて、非常に前置きが長くなりましたが、

戦前行われた工作が、平和で法治が浸透している現代でも同じように行われているのではないかというのが今回の主題です。

最近の自民派閥連立による調整政策はともかく、与党の政策は世論の後押しが非常に力になっているということについては、現職議員の言及にもある通り、紛れもない事実です。

浸透工作については漠然と把握している方が多いのではないかと思いますが、挑発要因工作が徐々に発生しているように思います。

一見保守に見えるネット言論であっても挑発要因工作じゃないか、疑いながら確認するようにしたいものです。

仲間と思って迎合し、敵のお手伝いをして日本を貶める。日本を再び敗北に陥れる。決して先人と同じミスを侵さないようにしたいものです。

SNSや保守系のまとめサイトのコメント欄やYahooニュースコメント欄などでよく見かけるのが、韓国に対する態度です。(誤解なきよう言及しますが、この未開国家は個人的には嫌いですし、関わりたくないと考えています。国家と国民は違うという論法にも与しません。)

イラつく日本人の気持ちを利用した工作であることは間違いありません。

外交は、国民の溜飲を下げるために行うべきではなく、国益のためにやるべきであるという軸を決してブレさせてはいけません。

非合法な「殺せ」「倒せ」「やっつけろ」「手順を踏まずに断交しろ、制裁しろ」という気持ちのいい言葉に耳を傾けてはいけません。(法的にも国際的にも非の打ち所がない手順を踏んでの制裁や断交は必要と考えています。)

粛々と現代日本人と未来の日本人の利益になることを最優先するという冷静さを持つべきです。

例)
北方領土問題での「ロシア」に対する態度。
沖縄基地問題に対する「一般の沖縄県人」に対する態度。

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