日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追求するアメリカ

[著者] 江崎道朗
出版社 KKベストセラーズ
2017/11/25

先日、近所の書店で江崎先生の書籍を探していたところ、書店員より「最近、同じ著者の書籍「日本は誰と戦ったのか」を探していた人が複数名いらっしゃったのですが、何かで取り上げられたのでしょうか?」と聞かれ非常に驚かされました。

江崎先生の書籍は以前より愛読しており、非常に感銘を受け、過去に起きた事象は現代日本人にとっても今の国難を乗り越えるために江崎先生の書籍の内容は知っていたほうがいいと私自身考えている程です。

さて、こちらの本はコミンテルンに関する情報を扱ったものになります。

江崎先生は数々の書籍や動画上にて、「コミンテルンが万能で、先の大戦は全てコミンテルンによって仕組まれた」といった陰謀論、陰謀説はとっていないことを言明しています。

故に「主観だけに頼った陰謀論」などと言ったレッテルに近い批判はあたりません。(読まずに単純批判やレッテル貼り批判している方はいらっしゃるかもしれません。)

基本的には、アメリカ議会において明らかになった公式な情報とアメリカ軍や共和党保守系のコネクションから得た裏取りされた情報によって講演や執筆をなさっています。

自分自身でアメリカ現地取材しての情報になりますので、先のアメリカ大統領選挙の情報は非常に正確でトランプ当選も予測されておりました。

コミンテルンによる工作については、官僚を含めた日本政府が要所要所で自爆とも言える程の痛恨のミスをしたところにうまく付け込まれ利用されたくらいのニュアンスでしか語っておりません。(それにしても結果的には非常に痛いのですが)

そもそも政府や軍部の全てがコミンテルンに浸透されているのであれば、わざわざ偽装する必要もなく、堂々と共産党員を名乗ればいいからです。

戦前のアメリカにも言えることですが戦前の日本は、本来の敵を見誤ってフロント組織の雑魚(日本共産党)を敵とし、攻撃をしかけたものの、実際の所ただ一生懸命サンドバッグ叩いていただけで、大本の本体(中国共産党)には何一つ傷がついておらず、何ら改善に至らなかったこと。これは現在の日本にもあてはまるとし、警鐘をならしています。

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■二十世紀とは、ソ連・コミンテルンとの戦いであった!

「東西冷戦」は一九九一年のソ連の崩壊によって終結したと言われていますが、それはヨーロッパの話です。残念ながらソ連崩壊のあとも、アジアには中国共産党政府と北朝鮮という二つの共産主義国家が存在し、アジア太平洋の平和と繁栄を脅かしているのは御承知の通りです。
この中国共産党政府と北朝鮮という二つの「共産主義」国家が第二次世界大戦後、なぜ誕生したのか。その経緯を調べると、アメリカのルーズヴェルト民主党政権がソ連に協力して、アジアの共産化に手を貸した「歴史」が見えてきます。(中略)半世紀が過ぎ、多くの機密文書が公開されたことで日本を開戦に追い込み、東欧とアジアの共産化に手を貸したルーズヴェルト民主党政権の問題点が、アメリカの保守系の歴史学者の手によって次々と明らかにされてきています。端的に言えば、アジア太平洋で戦争を引き起こしたのは日本ではなく、ソ連・コミンテルンとルーズヴェルト民主党政権であったのではないかという視点が浮上してきているのです。 (はじめにより)

本書の内容

序 章 日米開戦はスターリンの工作だった
第一章 日米を開戦に追い込んだゾルゲ
第二章 「雪」作戦発動
第三章 オーウェン・ラティモアの暗躍
第四章 乗っ取られたホワイトハウス
第五章 ヤルタ会議を仕切ったアルジャー・ヒス
第六章 握り潰された「反ソ」報告書
第七章 ソ連の対日参戦まで日本を降伏させるな
第八章 ソ連の対米秘密工作は隠蔽されてきた

江崎 道朗(えざき みちお)
評論家。専門は安全保障、インテリジェンス、近現代史研究。

1962年生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフなどを経て、2016年夏から本格的に評論活動を開始。月刊正論、月刊WiLL、月刊Voice、日刊SPA!などに論文多数。

著書に『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)、『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』(青林堂)、『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾』(展転社)ほか多数。

 

発売されてからちょうど1年を過ぎたくらいですが、今となっては本書を新品で購入することが困難な状態になっている良書です。
現在に至っては、Amazonのマーケットプレイスではプレミア価格で提供されております。
重版あるいは再発売に期待したいところです。

さて、本書はアメリカ保守系の視点からのアプローチで評価されている情報を元に記載されています。前作の日本視点で書かれた「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」も同時にお読みいただくことを推薦いたします。

日本の左派にしても保守系にもいえることですが、他の国家が一つの意思を持った勢力と見なす傾向にあります。
日本にも安倍総理のような政治家もいれば、鳩山元総理のような人もおり、自民党に至っても石破茂氏や二階先生のような方もいらっしゃるわけで、民主主義国家においては決して一枚岩とは言えません。
そういう意味ではひとつの考え方以外を認めない全体主義者が戦後70年以上たった現在でも日本国内で幅を利かせていることは、少し観察すれば判ります。

アメリカに至っても戦前、現在問わずさまざまな考えを持った方がおり一枚岩ではありません。(以前あげた記事「日米保守とメディア雑感」に記載)
ただ残念なことに戦前にしても現在にしても日本国益と米国益が一致できる可能性を秘める米保守派との連携ができていないことです。
日本の知米派、親米派の議員は反日である民主党系とのコネクションしかないことが非常に日本のためにも問題であるといえるでしょう。
アメリカの一部リベラルメディアにおいては、以前起きた尖閣諸島沖での衝突事件の報道を、戦前の支那事変時と同様、日本国政府が中国を煽ったせいで起きたと真面目に報道していることを忘れてはなりません。

戦前、コミンテルンの謀略にまんまと引っかかった右翼全体主義は右翼と呼称しているものの実際のところはナチス同様の国家社会主義で左派系の思想です。

それが日本国の理念たる明治大帝の五箇条の御誓文の内容から踏み外していることは、十分に反省すべきことです。これは現在においてもいえることです。

廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スベシ
(現代表記)広く会議を興し、万機公論に決すべし。

「日本は誰と戦ったのか」江崎道朗 宮脇淳子 倉山満【チャンネルくらら・11月25日配信】

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特別番組「景気回復を邪魔するものの正体とは?~日本は誰と戦ったのか?」安達誠司 江崎道朗【チャンネルくらら・2月12日配信】

特別番組「日本は誰と戦ったのか~知られざるトランプの経済政策」安達誠司 江崎道朗【チャンネルくらら・2月27日配信】


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