徴用工(出稼ぎ労働者)訴訟判決について

これまで、放言閑話では基本的に日本と韓国との問題については重要事項として取り扱いませんでした。
大抵の韓国発の問題のバックには北朝鮮系の団体や中国共産党の息がかかっているもので、本格的に敵対することで、「本当の敵」を見えづらくするテクニック(情報工作)であることを把握していたからです。
念のために言及いたしますが、韓国に問題はないとは全く考えておりません。
対処すべき優先順位付けをしていただけです。
現在の韓国は、法律より国民世論を優先するポピュリズム姿勢。法の不遡及の原則を遵守できず、国際合意を守ることができない未開国家として、平等な条約を結ぶべきではないという明治期の国際的なプロトコルを原則として日本国は重視すべきではないかと思う次第です。
私が常々考える近代化は、外国からもたらされるものではなく、基本的には自発的に自国内で行ったものでないと成功しないと考えています。(外圧に影響を受けての自発的行動を否定するものではありません)
そういった意味では、韓国にしても中国にしても、異を唱える人が多くいそうですが、台湾(中華民国)にしても真の意味での近代化はできておらず、近代国家とはいえないという立場です。韓国にしても中国にしても近代化しているわけではなく古代国家が、ただ単に日本化しているだけです。
【ソウル=桜井紀雄】日本による朝鮮半島統治時代に「強制労働させられた」として、元徴用工の韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、韓国最高裁は30日、同社に賠償を命じた2審判決を支持して同社の上告を棄却し、原告1人当たり1億ウォン(約1千万円)、計4億ウォンの賠償支払いを命じる判決が確定した。
産経ニュースより
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「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」(1965年12月18日発効)
第二条
1 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
(中略)
3 2の規定に従うことを条件として,一方の締約国及びその国民の財産,権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては,いかなる主張もすることができないものとする。
日本政府は日韓間における請求権問題については、上記の通り1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場です。
韓国内でも2006年に文書公開しております。
本来では原告の請求権はなくなることはありませんが、請求先が協定により日本国や日本企業ではなく韓国政府になるはずです。
それにもかかわらず、国内法が国際条約を優先するといった国際的常識を打ち破るようなポピュリズムに迎合したような判決を韓国最高裁は下しました。
保守を始めとして、内容をしっかり把握している日本国民は憤りを感じているでしょう。
日本人として心ある方であれば当たり前の感情であると思います。
日本国政府としては、今後国際司法裁判所に提訴や、大使の帰国準備を検討しているという記事も確認しました。
強制執行が行われれば、憤りを感じた日本国民から、日韓断交や経済制裁、来日の際のビザ復活など様々な声が出ることが予想されます。(既に出ていると思います。)
今回の訴訟のバックには北朝鮮系の団体が関与しているでしょう。
慰安婦問題や徴用工問題で日韓関係が拗れれば拗れるほど利益を得るのは、北朝鮮や中国共産党であることは紛れもない事実です。
このような情報工作に騙されるな!といった空気の読めない水を差すようなことは言うつもりはありません。
なぜならば、韓国を保全する日本国としてのメリットに疑問を感じているからです。
元自衛隊幕僚による動画解説等においては、韓国が西側陣営にいることで地政学的なメリットを強調されておられます。
普通に考え、まともな判断能力があれば、当たり前のことで否定できないと思います。
ただ、それは相手が価値観(法治主義と自由)を共有できる相手であるという前提が成り立つ場合にしか通用しないと私は考えています。
一昔前の韓国軍と交流してきた自衛隊幹部の方にとっては寝耳に水の話でしょう。
北に対して融和的な盧武鉉政権以降、韓国軍は骨抜きにされ、かつてのような力が存在していません。
あえて断言させていただきます。北の介入による朴槿恵大統領のろうそくデモからの大統領引きずり降ろしに何もできなかったという事実は覆せません。情報機関も含め既に無力化されていると見ていいでしょう。
この価値観を共有できない相手(約束を守らない、ルールはあっても存在しないものとする、取り決めも無意味、大事な情報は敵に筒抜け)が味方にいたところでどう日米にとって有利に働くのか疑問に感じます。
一時期北朝鮮のミサイル問題で緊張が高まったときに半島に滞在する邦人救出が韓国側の非協力的な対応により救出困難という結果を忘れるつもりもありません。
「無能な味方は有能な敵より恐ろしい」
と考えます。
対馬、九州、本州が最前線になるという最悪な現実を無視しているわけではありません。
日本国、日本人がどう動こうとしても、他人を変えることができない以上、日本が日本のためにどう最善を尽くすかでしかありません。
留意事項
今回の流れを見ていて、ふと思ったのが支那事変直前の流れに非常に似ているなと感じました。もちろん差異は存在しています。現地法人を守る日本の軍隊は存在していません。
そういう意味では、戦前より悪い状態であると言えるでしょう。
日本が資金等さまざまな支援していた現地国家(軍閥)が突然裏切り、国際条約が無効だと一方的に宣言し、現地にいる外国人を含む邦人を襲撃しはじめた。(当たり前のことですが、軍が駐屯しているものの専守防衛では、民間人を守り切ることはできなかった。)
懸案事項が多数あるにもかかわらず、外務省を通じて相手政府に交渉しても音沙汰がなかった。
問題の拡大、拗れることを恐れた政府は強硬策をほとんど取らなかったため事件は縮小どころかさらに拡大した。
報道にて事実を知った日本国民が憤りを感じ、暴支膺懲を叫ぶようになり世論が沸騰。
自業自得、性がないとはいえ、韓国に対しても同じような流れになってしまうのではないかと懸念します。
誤解のないように申しますと韓国を助けたいわけではなく、本来の敵を見失うようなことはくれぐれもないようにしてほしいというのが、今回の件での感想です。
ソヴィエト、中国共産党の謀略により日本は本来の敵であるソヴィエトという主敵を逸らす工作にまんまと掛かり、もともと協力関係にあったアメリカ、イギリスを主敵としたため敗戦に向かった事実を忘れるべきではないと思います。
第二次大戦で戦った国々で戦争目的が完全に達成できたのはソヴィエト連邦と中華人民共和国だけです。
覇権国家となったアメリカであっても一部のみ達成したのみです。その他は戦勝国であってもほぼ達成できていません。イギリスなんかはブリテン島を守っただけでほとんど損失ばかりです。日本も一部だけ達成しています。
次回起きないことに越したことはないですが、このようなことにならないことだけ望みます。