中国共産党の歴史①

日本のみならず戦前においても戦後にしても、現代にしても共産党を自由民主主義陣営の主敵として認識し、戦っていますがとりわけ日本においてはその共産党について知らな過ぎて、戦うどころかいいようにされているのが現状かと思われます。
学術研究をしたわけではありませんが、簡単な流れを知ることで現在日本がおかれている状況と、やるべきことを知る一助となれば幸いに思います。
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中国共産党の生みの親日本
中国の近代化はアヘン戦争からはじまったと日本や中国で教えられていますが、これは毛沢東が作った史観で、清朝の満洲人皇帝にとってアヘン戦争は「南部の異民族(支那人)の住処でなんか外国と争いがあったようだ」位の認識しかありませんでした。
本当の意味での近代化のはじまりは日清戦争以降になります。
毛にとって日本によって近代化が促進されたということが我慢ならなかったのでしょう。
日清戦争後、人口も経済力も軍備も優れているはずの清国が日本に敗北したことは、清国に住む住人に大きなショックを与えました。(敢えて国民とは記載しません)
日本のように国民国家化しなければ清国も欧米列強に好きなようにやられてしまうという危機感から、日露戦争以前は約1000人、日露戦争中から以後は約8000人の清国の留学生を日本に向かわせました。
辛亥革命後、日本でマルクス主義を学んだシナ人留学生が「新文化運動」を開始します。
伝統的な儒教の要素がある社会体制が近代化を邪魔する元凶とし、シナを滅亡させないために民主主義や科学などといった西洋の思想を取り入れるべきと主張しました。
この新文化運動を行った学生たちが中国共産党の母体となります。
中国共産党結成
1917年にロシア革命がおこり、1919年には全世界の共産化を目指すコミンテルンが設立されました。
その翌年1920年東方諸民族会議が開かれ、1921年に中国共産党が設立しました。
中国共産党の張太雷に誘われ堺利彦らがコミンテルンの極東民族大会に出席し、日本共産党が設立。
日本共産党はあくまでも中国共産党の下部組織で資金の流れも指揮命令も中国共産党からでした。
孫文の国民党と共産党の間で第一次国共合作が行われ、国民党のお金で留学中の中国人留学生は、日本国内の大学も左傾化していたこともあり、一気に左傾化しました。
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スパイ天国日本
対日工作の主な機関が1928年(昭和3年)に「中国共産党日本特別支部」が日本にて結成されます。
中国共産党日本特別支部は華僑が存在する東京、横浜、神戸、長崎、仙台、京都におかれました。主体は主に中国人留学生です。(内務省警保局保安課外事係の資料より)
年間多数の留学生が来日するため、対日工作を行うスパイと留学生を判別することは不可能でした。
ここだけを抜き出すと、戦前であっても現在の日本と状況は非常に似ています。
戦前はまともであったが戦後はスパイが入り放題であったというのは誤りだということが判ります。
悪しき対日感情を持った中国人留学生を多数受け入れることによって、不足している労働力を補いつつ、本当の日本を知ってもらい対日感情を改善し、国に帰った留学生を利用し国家間で良好な関係を結ぶという日本の優秀な官僚による極めてまともで合理的な理由によって受け入れを促進しているのであろうと想像いたします。
が、通常の自由主義陣営の国家の国民であればまだしも、戦前も似たようなことをして「大失敗」したことを調査・分析もできたうえでの判断であるとはとても思えません。
そういった意味でも、日本でもインテリジェンス育成は重要な課題であると言えると思います。
昭和恐慌時にマルクス主義に傾倒していた経済学者の第一人者の河上肇(のちに共産党に入党)は、石橋湛山のように積極的な金融緩和政策は効果がない。もしくは効果が出たとしても「ハイパーインフレ」につながると批判しました。
現代でもアベノミクス否定する論者に全く同じ論調が見受けられます。ただしこの論を主張している人は自らをマルクス主義者とは名乗っておりません。マルクス主義者なのかどうかはわかりませんが、河上肇氏と同じ目的をもっての発言なのではないかと憂慮してしまいます。(この目的については②の記事で言及いたします。)
戦前の言論弾圧
私もかつて習ったマルクス主義史観においては、戦前言論の自由がなく、天皇批判をすれば逮捕されるくらいのニュアンスを持っておりましたが、満洲事変勃発後の昭和7年(1932)の東京帝国大学では左翼運動が高まり、毎日のようにデモが行われ、三つの標語が掲げられていました。
- 天皇制を打倒せよ
- 帝国主義的戦争絶対反対
- 授業料を値下げせよ
今まで持っていた戦前のイメージとはかけ離れています。
少なくとも戦争遂行中の昭和15年以前までは逮捕されずに批判する自由は存在していました。また国立の第一である帝大での話です。
ここまでくると今も昔も同じことをやっています。
また、同じことをやられています。
「平和主義」を掲げる現代の日本は本当に大丈夫なのでしょうか。
つづく