先の大戦の勝者 第4回

書いていて、少々やりすぎたかなと思わなくもないほどの英国でしたが、今回はアメリカについて確認してみます。

戦後、戦前の日本(大日本帝国)は戦争しまくって侵略、領土拡張を目指したとされています

実際のところは、1800年から1999年までの200年間で英国が武力行使をした回数は203回、アメリカは125回、大日本帝国(日本)は薩英戦争や戊辰戦争を含めて25回です。

英米ともに実際のところ凶暴であることは、ご理解いただけたと思います。

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アメリカ合衆国

さて、アメリカの場合、対外戦争(武力行使)が多いので、対日戦争はいちいち覚えてられないレベルです。

大日本帝国はなぜアメリカと戦ったのかという議論は民間保守を中心に最近は深く掘り下げられ、かなり研究されています。アカデミズムは戦後の影響から近現代史歴史修正しにくい環境が育ってしまっています。日米ともソヴィエト共産党の影響が受けていることは、現在においては公然の事実と化しています。

 

アメリカが日本となぜ戦ったのか。

ここらへんは、戦後あまり研究されていなかった分野であると思いますが、江崎道朗先生(日本は誰と戦ったのか)をはじめ、最近は目にする機会も増えてきたのではないかと思います。

 

対日戦におけるアメリカの戦争目的(建前は排除しています。)は、

  1. 満洲と支那の権益を日本から奪う 失敗
  2. 太平洋覇権の確立 成功
  3. 欧州戦に介入し英国、フランス、東欧を開放(ドイツ同盟国の日本と交戦) 一部失敗

 

満洲国成立時、当時の大国の英国やフランスは非難こそすれ黙認状態でした。

これは、現在のクリミア半島情勢やシリア情勢に対しあまり関わりがない日本の態度とほぼ同じです。

1番目の目的を持っていたからこそ、アメリカは英国やフランスなどに圧力をかけるよう働きかけました。

また中華民国(蒋介石政権)への反日を全力支援しました。アメリカは中立国とは言えるのか議論があります。(支那事変を日中戦争とした場合、アメリカは敵国扱いとなります。日本側はアメリカと敵対したいと思っていなかったため、配慮しました。)

このような事実もあり、満洲権益に対する野心はあったと思われます。

ヤルタ密約時にフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領は、正常な判断ができない状態にあったということ、コミンテルンスパイ(アルジャー・ヒス)がヤルタ会談を取り仕切ったこと、密約により満洲はソヴィエト連邦に委ねられることになりました。(トルーマン副大統領にはヤルタ密約の存在すら教えていませんでした。)

日本の敗戦が濃厚となった末期、今度は蒋介石政権の腐敗を追求し、中国共産党を持ち上げます。戦後蒋介石政権への援助を中止しました。(この点から侵略者日本から「中国」を助けるという大義名分が崩壊しています。欧州にしてもアジアにしてもFDRは、最初から共産党への援助が目的であったのではないかと云われる理由の一つになっています。)

ソヴィエト連邦が中国共産党に満洲と武装解除によって得られた旧関東軍の装備をそのまま中国共産党に渡しましたので、アメリカの戦争目的1は達成できませんでした。

この目的は、現在においても達成できておりません。

米中貿易戦争によって再び攻勢をかけはじめました。

 

第二次世界大戦前の海軍大国は、3国ありました。アメリカ、大英帝国、日本の3つです。

日露戦争後、ロシア海軍が壊滅し海軍大国の2つ(日本と英国)が同盟関係にあり、アメリカが挟み撃ちにされる危険があったため、「アメリカ」が日英同盟解消のために動きました。

日英分断を成功させ、ワシントン会議を経て対立状態に持っていきました。

第二次世界大戦後、英国の極東艦隊は、日本海軍により壊滅状態となり、大英帝国の植民地支配が崩壊。日本海軍もアメリカ海軍により壊滅状態、さらに軍も解体されてしまったため、アメリカの太平洋の覇権は戦後確立されました。戦前日本が自衛のために行っていた役割を結果的にすべてアメリカが肩代わりすることになりました。

 

 

日本をダシに欧州戦線に介入することには成功しました。

非常に危険な状態であった北アフリカ戦線もなんとか間に合わせ兵器を用意し間に合いましたが、ウッドロー・ウィルソン大統領の十四か条の平和原則をもとにしたポーランドの開放と東欧の開放は、大英帝国の場合と同様失敗しています。

そもそも本国が潰れればどうとでもなるので、北アフリカ戦線に行かずに直ちにノルマンディー作戦を行った方が良かったのではないかという議論が存在しています。

 

戦後の冷戦構造

倉山満氏が云う「アメリカ人は自分で流したウソをそのうち本気で信じてしまう。」「敵を作るのが天才的に上手い。なおかつ敵同士を結束させるのが上手い。」「味方を敵に追いやってしまう名人。味方を一生懸命潰して敵の勢力を拡大させる。」「敵と犯罪者の区別がつかない。」「戦闘で大量破壊しているうちに本来の目的を忘れてしまう。」は非常に言い得て妙で、第二次世界大戦をみればすべてが当てはまっています。

戦後、自分で手塩にかけて育てたソヴィエト連邦および中華人民共和国という強大な敵と対峙する羽目になりました。

しかも膨大なレンドリースも返還されることはありませんでした。

 

【米国・検証】トランプがウッドロウ・ウィルソンの亡霊を追い払う

https://www.newshonyaku.com/2936/

という記事もありましたが、現在の国際情勢と問題は、ウィルソン大統領の理念からスタートした第二次世界大戦の正統性証明のために隠され、未解決になっていたもののツケを21世紀になって、トランプ大統領が、はじめて払おうとしているわけです。

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