10月4日 アメリカ ペンス副大統領 演説について

10月4日、アメリカのシンクタンクであるハドソン研究所において、ペンス副大統領が50分にわたり対中政策について演説を行いました。

「中国が2018年の中間選挙および2020年の大統領選挙に干渉しようと、対米世論工作を始めている。」と衝撃的な内容が含まれることは耳ざとい方であれば目にしているでしょう。

(今日までのシナ人の本質を見る限り、やらない方がおかしいと私は考えています。)

 

巷では、中国に対する「最後通牒」、「宣戦布告」、「新冷戦の火ぶたを切った」などといわれております。

TVニュースではいつもの通り、謎の力が働いての「抜き出し」や「意図的誤訳」が横行しています。

今回は以前ご紹介した「海外ニュース翻訳情報局」に全文翻訳された記事が掲載されていましたので、その内容をもとに確認してみたいと思います。

ペンス副大統領演説原文 ホワイトハウス

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-administrations-policy-toward-china/

 

ペンス副大統領演説 日本語訳記事 海外ニュース翻訳情報局

https://www.newshonyaku.com/usa/20181009

 

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ペンス副大統領演説(Youtube)


非常に長い演説ですが、アメリカのみならず日本の今後にも関わる内容です。

個人的には、日米共同声明とともに、海外に関わる日本人経営者に読んでいただきたいと思っています。

 

 

 

演説概要(箇条書き・要約)

 

  • 中国政府は、政治、経済、軍事的手段とプロパガンダを使ってアメリカへの影響力を高め自国に利益をもたらすように行動している
  • 中国政府はかつてないほど積極的にこの権力を利用してアメリカの国内政策や政治活動に干渉している
  • トランプ大統領は、中国に対して新たな対外姿勢である「公平」「相互主義」「主権の尊重」に基づく関係を求めてきた
  • アメリカ独立戦争以降、他の列強が中国を搾取していたのと違い、アメリカは自由貿易政策を提唱し中国の主権を守ろうとしてきた
  • 同盟国として帝国主義と戦ったが、中国共産党が政権を握った直後から独裁主義の拡張政策を追求しはじめた。共に戦ってからわずか5年後に敵として戦った
  • 1972年以降疎遠な関係を改め両国の経済の開放をはじめソ連崩壊後、中国の自由化が避けられないものとして想定し、アメリカ経済に自由にアクセスできるようにし、WTOにも加盟させた
  • これまでのアメリカ政権は中国があらゆる分野(経済、政治、財産、個人、宗教、人権)で自由化するものとして行ってきたが、達成できなかった
  • 過去17年間、中国のGDPは9倍に成長し世界で2番の規模となったが、ほとんどがアメリカの対中投資でもたらされた(日本も同じ)
  • 中国共産党は、関税、割当、通貨操作、強制的技術移転、知的財産の窃盗を行い、不公平な政策を行ってきた
  • 中国政府は「メイド・イン・チャイナ2015」計画でロボット工学、バイオテクノロジー、人工知能の最先端産業の9割支配を目指している。目的達成のため官僚や企業に対し、アメリカの知的財産をあらゆる手段で盗めと指示
  • 中国政府は、中国で事業を行う企業に対し企業秘密の提出を強要し、米国企業の技術を得るために買収を行い、盗んだ技術を軍事技術に転用している
  • 中国の軍事費はアジアの全地域を合わせた金額とほぼ同額(日本も含まれる)
  • 日本の尖閣諸島を定期的に巡回し、南シナ海を軍事化する意図はないといいつつ高度な対艦ミサイル、対空ミサイルを配備した
  • 航行の自由作戦でイージス駆逐艦に異常接近するような威嚇を行ったが、我々は威圧されたり撤退したりしない
  • 以前は自国の人々の自由化方向に向かっていたが、近年は統制と抑圧に向けて転換した
  • 中国政府は、キリスト教徒、仏教徒、イスラム教徒を弾圧している
  • 中国は借金漬け外交を利用して途上国への影響力を高めている(スリランカ港租借など)
  • 中国政府は中南米の国家に対し台湾との関係を断ち切り中華人民共和国を承認するよう圧力をかけている。台湾の民主主義を支持する
  • 中国の市場を苦しめることを望んでいません。自由で公正かつ互恵的な貿易政策を求めているだけです
  • 中国共産党は、米国企業、映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方、州、連邦当局者に見返りの報酬を与え支配している。中間選挙に介入しようとしていることがわかった(慎重にストライキを行いアメリカ国内グループの分裂を目指す・激戦区の州の新聞に記事に見えるような広告を掲載)
  • 中国政府は中国の意向に背く米国企業や研究機関、シンクタンク、大学に対し圧力をかけており、逆に意向に沿う団体に関しては資金提供している
  • 中国の専門家の研究結果が中国政府の主張と異なる場合、ビザ発給が遅れたり、拒否されたりする
  • 中国共産党はアメリカでの学問の自由と言論の自由を破壊しようとしている
  • アメリカ現政権はアメリカの利益、アメリカの雇用、アメリカの安全保障のため断固とした行動を取り続ける
  • 中国の知的財産の窃盗が完全に終了するまで行動はやめない
  • インドからサモアまで、価値観を共有する国々と強固な絆を築いている。我々の関係は支配ではなく、パートナーシップの上に築かれた尊敬の精神から生まれている
  • 引き続き中国の悪意ある影響力と干渉はどのような形であれ暴露し続けていく
  • Googleは、共産党による検閲を強化し、中国の顧客のプライバシーを侵害する「Dragonfly」アプリの開発を直ちに終了すべき
  • トランプ大統領のリーダーシップの下、アメリカは最後までやり遂げると断言する
  • 中国との関係が公平、相互、そして主権の尊重が基礎となるまで、我々は態度を弱めません

 

 

一部、戦前の史観について「アメリカ人らしいな」と感じる微笑ましい所が存在しましたが、概ね主義主張に関しては、マスコミでいわれるような「アメリカ保護主義」要素は存在しておりませんし、最近ではあまり聞かれなくなった「差別主義」も存在していません。

 

私個人的な感想ではありますが、戦前の政府・民間問わず日本人が中国に対して想い、願い、援助を続けてきた内容を戦後そのままアメリカが引き継ぎ、今になって誤りだったと反省したという話です。演出、世論形成のためという手段はもちろん存在しているでしょうが、いつもながら人のことは言えた義理でもありませんが、アメリカは気がつくのが遅い。国交正常化してから46年経ってから騙されていたと気がついたという話です。

気がついているだけ、当の日本よりよっぽどマシだという見方もできるかもしれませんが。

 

中国共産党によるアメリカの企業、大学、シンクタンク、映画、学者、研究家、専門家、各種マスコミ、ジャーナリスト、地方、州、連邦当局者、各種団体への現状はアメリカだけのものではなく、日本に対しても間違いなく行われている事を知るべきだと思います。

各省庁、銀行、政党に至るまでも干渉され、影響力を行使されている可能性は拭えません。

 

この演説を参考に日本に置き換えてみますと、

例え中国共産党に対して厳しい意見をいう専門家であっても中国に難なく入国できる人間には注意が必要であることが判ります。

 

中国と何らかの関わりがある企業、学者、研究家、専門家は確実に影響を受けていると言えるでしょう。現時点においては、政府にしても企業にしても個人にしても中国共産党から守る「手段」が存在していないのですから。

 

また、新華社通信によりますと、「米中「全面対決」回避を要請 “中間選介入”米政権の主張も非難」とのことですが、ただしていないと根拠なく主張しただけで、ポール・グレアムの反論のヒエラルキーでいう

DH3. 単純否定(Contradiction): 論拠なしに、ただ否定。

にすぎず、単に反対意見を述べるに留まり、それを支持する証拠は皆無です。

こんな反論ではアメリカが態度を変える理由もなく、反論したぞという実績だけが欲しかったのかも知れません。

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