米朝首脳会談の所感

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2018年6月12日シンガポールで行われている、史上初となるアメリカのトランプ大統領と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の金正恩朝鮮労働党委員長による米朝首脳会談は、閣僚を加えた拡大会談が滞りなく終了しました。
各社ニュースによりますと、トランプ米大統領と金正恩委員長 合意文書に署名といった記事がでています。

テレビジョンなどのオールドメディアではどのように報道されているのか、視聴していない私には皆目わかりませんが、お祭り騒ぎするには、まだまだまだまだ早いと思います。(想像)

NHKのNEWS WEBによりますと、

●共同声明「朝鮮戦争中の捕虜や不明兵士の遺骨回収に取り組む」6月12日 16時14分
●共同声明「朝鮮半島の平和体制構築に努力」6月12日 16時11分
●共同声明「北朝鮮は完全な非核化に向け取り組むことを約束」6月12日 16時07分
●共同声明「新しい関係を樹立するため取り組んでいく」6月12日 16時01分

の4点が内容として上がっています。
「合意文書に署名へ」との記事も出ておりますが、まだまだ具体的な合意内容が正式に発表はなされておりませんので、現時点ではなんとも言えません。

北朝鮮は過去に5度、非核化の約束を破っております。

  1. 1991年 南北非核化共同宣言 → 1993年 核不拡散条約(YPT)脱退
  2. 1994年 米朝枠組み合意 → 2002年 北朝鮮「我々には核開発の資格がある」
  3. 2005年 6カ国協議で約束 → 2006年 北朝鮮 1回目の核実験実施
  4. 2007年 6カ国協議で約束 → 2009年 北朝鮮 核開発再開
  5. 2012年 米国と約束 → 2012年 北朝鮮 長距離弾道弾 発射 3回目の核実験

このようにアメリカ並びに周辺諸国は、5度に渡って援助しつつも騙されています。
南北の朝鮮半島からの非核化宣言にしても、信用の仕様がありません。

現在のトランプ政権のボルトン大統領補佐官やマティス国防長官は、全くブレていません。過去に騙された経験もあるために以下の3つを条件としてあげています。
この3つが合意内容に含まれていない限り、非核化に関しては失敗と見て良いでしょう。

  1. 核兵器、核燃料などの接収
  2. 核開発、実験データの接収、分析
  3. 核開発技術者の取り調べと移住(北朝鮮外)

この3つが実行され完遂後に、経済制裁を解除。具体的な援助問題はそれ以降という形が最低限度のラインです。

先日行われた日米の首脳会談の共同記者会見で、

北朝鮮が核・ミサイル廃棄に向けた「具体的な行動を取るまで」国連安保理の省察決議を解除しない方針を表明しました。(朝日新聞2018.6.8)

この具体的な行動が先の3つを表していればよいのですが、核廃棄という口だけ宣言だけで制裁解除と援助を行った場合、後に極東および中東において有事発生が避けられないでしょう。

米朝首脳会談

 

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