マラッカジレンマと真珠の首飾り戦略

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現代においては、資源と食料輸入に頼っている、中華人民共和国。
インフラ輸出はしているものの、サプライチェーンは確保できておらず、予算は膨大にかけているものの中進国の罠の回避には未だ至っていないようです。
さて、その巨大化しており現在海外に影響力を行使し続けている中華人民共和国のシーレーンですが、事実上アメリカの支配下にあります。

輸入原油の8割が通過するマラッカ海峡は、中共の最重要チョークポイントです。
そして、そのマラッカ海峡。
安全保障は米軍に依存しています。

中華人民共和国が台湾侵攻準備か「平和を大切にして」=総統府(台湾 18日 中央社)でも出ているように、米国防総省が中国の軍事力や安全保障をまとめた年次報告書に軍事的な準備を進めている可能性があると指摘されています。

仮に台湾有事が発生した場合、アメリカが中国の補給ルートを断つために海峡を封鎖するという可能性(現時点では限りなくゼロに近いのではないかと思います。)を鑑み中国共産党は対応策を検討しています。
石油備蓄、食料備蓄が十分ではない中国においてマラッカ海峡における脆弱性を「マラッカジレンマ」と呼称しています。

そして、対抗策としての中国の政策が「真珠の首飾り」です。
1にマラッカジレンマの回避、2にシーレーン防衛です。
エネルギーの供給先である中東・アフリカから中国までの海域に、拠点として利用可能な港湾(真珠)を配置するというものです。

インド洋沿岸の各国の港湾をとても返済ができもしないインフラを売りつけ、投資の支払い不履行をたてに利用権(租借)をぶんどり、あたかも中国の外港のように整備しています。
雇用が生まれ経済発展、成長すればまだマシなものの、現実的には中国国内で犯罪を犯して囚役している囚人を労働者として送り込み。インフラを作り。現地で解散しています。
どうみてもやっていることがヤクザと同じ、いや以上です。

日本はかつてより危険性を指摘していましたが、時すでに遅しといえますが、直接利害が関わらない国家についても最近になって非難するようになってきました。

日本のシーレーンに関しても中国ほどではありませんが、同様の脆弱性を持っております。
日本と在日米軍・在韓米軍・台湾・グアムを抑えるために動いている南シナ海問題があります。

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グワダル(パキスタン)

パキスタンに存在するグワダル港はイラン国境からわずか72kmに存在します。
そこからパイプラインを通してカシュガルまで接続し陸運でマラッカジレンマを回避します。
このグワダル港は、パキスタンでもバローチスタン(バローチ人)という勢力がおり、工事を邪魔するテロが発生しています。
パキスタン軍が中国人の工事従事する港湾を警護しているとのことです。
またパキスタンは最近、政権交代したせいでやっとでさえうまく行っていなかった工事とラインが吹っ飛ぶ可能性も出てきています。

グワダルーカシュガル

 

ハンバントタ(スリランカ)

スリランカの南に存在するハンバントタ港。
インドとスリランカの間のポーク海峡は水深が浅く暗礁が多いのでタンカーの航行は非常に難しいところです。
このような現状にあるので、本海域を航行するタンカーはスリランカ南部沖合を通ります。
そこを抑えるための要所となっています。
増強工事は現在も進められており、2022年には燃料補給、修理ができるようになるとのことです。

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チッタゴン(バングラディシュ)

ミャンマー(旧ビルマ)国境付近のチッタゴンは、第二の都市。
こちらもすぐ隣の中国と友好的なミャンマーを抜け、雲南省の昆明までを結ぶ高速道路建設合意を2009年に中華人民共和国・バングラデシュ・ミャンマー3国で合意しています。

チッタゴンー昆明

シットウェ(ミャンマー)

ミャンマー ラカイン州の州都。
シットウェ港を獲得することにより、マラッカ海峡近くのインド領アンダマン、ニコバルのインド軍基地や艦艇の動向を監視できる拠点を獲得。ミャンマーの7つの海軍基地を大型艦艇が入港できるよう改造しているとのこと。
ラカイン州沖で発見されたガスに中国の投資が増え、ミャンマーを横断し雲南省に送ることになりました。(パイプライン)


China Energy Systems(2010/2/4の記事)より画像転載)

 

マレーシアの高速鉄道も似たような狙いがあったようですが、マハティール首相就任のためご破産となりそうです。

なんといいますか、やっていることが支那事変時の数々の援蒋ルートの開拓とそれを潰そうとした日本と同じ構図です。
ただ前回と今回の違いは、海洋国家(日米英)はすべて結託していることです。

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